カテゴリ: In Hobart 2015

一度はキャンセルしたホバート行きでしが、航空券を取り直して飛ぶことになりました。楽しい楽しいレースの話ではありませんが、海外レース時のピンチ解決ノウハウの1つとして、みなさんとシェアできたらと思い投稿します。
そして、このバタバタを乗り越えながら、こういう蓄積があったから、チームベンガルのトランスパック参戦は、私がロジスティックに関わり始めた6回目の参戦時には物事がスムーズに行ったんだなぁと実感しました。もちろん7回目は自分個人の経験もプラスされて言わずもがな。そして、レースの度に現地でサポートしてくれる人たちや、他艇のレース仲間とのつながりを深めることの重要さも実感しました。


さて、レーススタートの翌日、ホバートに向かう飛行機に乗るシドニーの空港でベンガルからリタイアの知らせを受けました。ちょうどチェックインを済ませて、荷物を預ける直前。とりあえず飛行機をキャンセルして、現地の携帯電話を購入(元々持っていたチームのオーストラリア携帯は船上に持って行ったため)。ホバートでのレンタカーとホテルのキャンセル。クルーが帰ってくるであろう28日の夜からのホテルの確保。トラッカー上でのベンガルの動きを見て心配するかもしれないクルーの家族への連絡。名古屋にいるチームのメンバーへの連絡。日本で借りて行ったポケットWiFiとLINEのコンビネーションが超活躍。LINE IDない相手にはSkypeでクレジット使って電話。



取り急ぎ目の前の問題解決完了。残る最重要課題はホバートに送ってしまった荷物をどう回収するか。

他の海外の外洋レース同様、レース委員会が契約した運送業者が一手に引き受けてくれます。クルーの個人荷物、回航セールや回航備品。全部で27点。

今回はたくさんのチームがリタイアしたため、誓約書ではリタイアした場合の荷物の搬送のオーガナイズの責任は持たないと謳っていた運送業者も動き出してくれました。パレット輸送の段取りをつける、と。でもそれを待っていたら年明けになります。30日にはクルー第一弾が日本へ帰国。

まずは前回のレース時もお世話になったホバート在住のAndyに連絡。宅急便とかってどんなんと、様子をさぐります。アンディにクルーの荷物15個、DHLで送って!ということもできましたが28日は業者が休み。最速で29日ピックアップ31日シドニー着。30日に間に合わない。

色々と会話を重ねているうちに、かなりキツいけど28日の夜19時くらいにホバートを出るフェリーに乗れば翌日の午後遅くにはシドニーに着く、と教えてもらいました。30日帰国組の荷物が間に合う!それを聞いたのはお昼前。とりあえずホバート行きのチケットを購入。買う前に詳しいことをもっと聞くべきだったのだけど、残り3席だったから焦って購入。変に高いテンションのまま空港へ。

あまり深く考えずに、あ、フェリーね、なんて思ってたけど、空港に到着して落ち着いてよく考えてみると、あれ?タスマニアからシドニーにフェリーなんてないよな?と。よくよく聞くと、ホバートからタスマニアの北の方にあるフェリーターミナルまで車で2時間半。夜のフェリーでメルボルンに翌朝到着。車で約8時間でシドニーに到着。このミッションをコンプリートさせるには、15人分の荷物が載る大きさの車で、かつ、ホバートピックアップ、シドニー返却できる車を確保する必要あり。クリスマス~お正月のこのバケーション期間に8人乗りを確保するのはめちゃ厳しいのはよく分かっているので、無理かなぁーなんて思ってました。ついでに、8時間のドライブ、やりたくないなーなんてちょっと思ってたし。(あとで聞いたらメルボルン大阪の時、座長はシドニー~メルボルン間を1泊2日で車移動した、と)。その時はばたばたしててプランBが頭の中にありませんでした。

ホバートに到着し、案の定借りれるレンタカーがないことが判明。飛行機の中でプランBを考えていたので、慌てる必要全くなし。大丈夫大丈夫。私がホバートにこの日に飛んだことによって4つの手段を使って全てが解決するシナリオが出来上がっていました。

手段1:30日に日本に帰国する3人の荷物
私が29日にホバートから帰るときにもって行く。ただしジェットスターのチェックイン荷物マックスが40キロなので40キロ以下である必要あり。重かったら適当に荷物抜き取って調整する予定

手段2:31日以降に帰る人の荷物
31日シドニー着のDHLで発送。

手段3:バテンを除く回航備品
パレット船便輸送で年明け1週間~10日でシドニーに到着。超急ぎの品物ではないのでOK

手段4:回航セールバテン
長すぎてパレット輸送できないので、シドニーに回航するレースフィニッシュ艇に頼む

とりあえずシドニーから到着した荷物を保管する倉庫に行き、業者と会話。その日にできることはそれだけ。夜はホバートを楽しみ、予定では翌朝午前中1-2時間かけて片を付けるつもりでした。

が!!!海外でこういうことあると計画通り物事は進まない。わかっちゃいるけど忘れてた。

色々冷や汗流したり心臓ばくばくさせたり走ったりした結果。。。
手段1:測ったら40キロ以内だったので全く問題なし。荷物3つ、無事飛行機で持ち帰りました。

手段2は一番大変だったので後回し。

手段3:パレット輸送の段取りをしてもらい、まだ完結してないけど、おそらく年明け到着。

手段4:手段2にめちゃくちゃ時間がかかり飛行機の時間がせまる中、猛ダッシュでバテンを担いで、その日の朝フィニッシュしたラガマフィンへ急ぐ。オープンボートパーティーまっただ中、人でごった返すラガマフィンに無事バテンを預けました。ラガマフィンがシドニーに帰ってくる年明け数日後にベンガルの元にバテンが届きます。ふいーー。ウィッティ、キャンベル、健太さん、ともちゃん、ラガマフィンのみんなありがとう。ラインオナー2位のお祝いビール一緒に飲めなくてごめんなさい。
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はい、そして手段2です
朝イチでDHLに電話したら、Expressだから全ての荷物の縦横幅の数字と重さを教えろ、と。で、メジャーと体重計で12個計測。で、もう1回電話したらめっっっちゃ待たされる。よくある集中コールセンターのイライラ。オペレーターにつながるまですごく時間かかる。
ようやくオペレーターにつながり数を伝え見積もりを取る。その際、スッポンなみのしつこさで31日に確実にシドニーに荷物が到着しないとすんげー困る、と念押し。日本と違ってだいたいの外国はこういうところ適当だから念には念を。そしたらオペレーターのお姉さんがすごくいい人で改めて到着スケジュール確認してくれた上に、ホバートの集荷センターが本当に今日ちゃんとやってるかの確認と正確な住所を教えてくれた(確かに親切だけど、この時点で本当に集荷センターがやってるか確認しなきゃいけないっておかしい気もするけど)。集荷にきてもらうと夕方17時までのどこかの時間になる。そうすると私がもうホバートにいないので、直接集荷センターに運ぶことにしました。見積もり出してもらって最終確認の段階でまたやっかいな事実発覚。スマホ、iPadなどのタブレット、液体、スプレー、入ってないよね?と。一瞬考えてちょっとまてよ?と。航空便であろうと、飛行機の持ち込み荷物じゃないんだからスマホやタブレット、液体っていいんじゃないの別に。といったら、どうやらDHL独自のルールか何からしくダメと。スマホとタブレットは12個の荷物の中に2個ならいいと。12個中2個というのがどうやって割り出されたレートかよくしらないけど、とにかくダメ、と。

シドニーにいるクルーに連絡をとって該当品がの洗い出しを依頼。と同時に1つずつ鞄をあけ、該当品を取り出す同時進行作業。かばんあけて変なもの見つけちゃったらどうしよう、って思ったけど話のネタになるようなものは見つからず。スマホはダメでもPCはどうなのか分からず、結局PCや精密機器も取り出し。少しでも、荷物が31日届かない結果につながりそうなリスクは取り除く。
変なものは見つからなかったけどあるクルーの荷物から電子辞書が出てきた。でも使ってるの見たことないなぁ。

さて、今度こそ!と満を持して電話。例のごとくオペレーターにつながるまでめちゃくちゃ待たされる。10分ほどまってやっとつながり、胸張ってスマホ類全部抜きました!と伝える。そしたら、スーツケースに鍵はかかってないよね?と。またなんかやっかいなこと言われた。2つ鍵がかかってるのはあるけど、空港で開けられるタイプの鍵です。といったら、いやいやだめだめ。それ関係ないから、って。空港のセキュリティチェックではなく、DHLのチェックらしいので、どんな鍵であろうと鍵がかかってるのはだめらしい。ということでもうこの2つは諦め10個で伝票発行!

もしかして40キロ以内に入れば今日私が飛行機で持って帰れるかもと思って重量の足し算したけど、当たり前のように5個で40キロ以内なんてことはありえなかった。。。

ずっと計測から何まで付き合ってくれたAndy。彼のくるまに荷物を積んで集荷センターへ。
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荷物から抜き取ったシェービングスプレーを進呈しました。

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発送準備完了。

当初の予定ではここまでを1~1時間半で終わらせる予定だった。が、9時に始めて終わったのは13時半。長かった。。。


とりあえずやれることはやった!と空港へ。大量のiPad、スマホ、PCを重いリュックから取り出しチェックイン。この8個のトレー全部私のチェックイン荷物。
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3つの荷物は30日発のクルーに無事お届け。あとはDHLを信じてドキドキしながら大晦日を待つ。。。。


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そして31日。前日からトラッキングナンバーで追っていて、30日にメルボルン着、31日早朝シドニー着を確認。ひゃっっほーい。

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31日出発組の飛行機の時間は夜遅かったけど、それでも配送だと不安だったので配送センター着にして、センターまで取りにいきました。蛇足ですが、ここもスムーズにはいかなかった!教えてもらっていた住所もGoogle Maps上での場所も同じ。ここまで念入りに確認したにも関わらずそれらしいオフィスはなくウロウロ。結局そのポイントに到達する前に見掛けたDHLの建物がピックアップ場所でした。

いやー、何はともあれよかったよかった。


とにかく、ヤマトや佐川はすごいな、と再確認した次第です。コンビニでも集荷できるんだもん。
それから、シドニーホバート。ボクシングデーの恒例行事なのはいいけど、色んな店や業者がやってなさすぎで、特に海外から来てるチームにとっては何かと困る!

一旦はホバート行きの飛行機をキャンセルしたのですが、レース委員会が手配した特大コンテナに積み込んだクルーの荷物がホバートに到着するので、それを取りに行かなくてはいけない!ということで結局ホバートに一人で飛びました。この話はまた後日落ち着いてから。

ホバートに荷物捌き目的で飛んだのですが、もちろん相手があることなので夜は何もできません。

やっとの思いでクルーがシドニーに到着しただろうに、ホバートでヘラヘラしてていいものかと思いながらも、どちみち日中にやれることはすべてやったので、引きこもっている理由もなく、「せっかくだから」ホバートの夜を楽しみました。

ラガマフィン関係者の友達がすでにホバート入りしていたため、その子と一緒にワインフェスティバルをうろうろしつつ夕食。

そうこうしているうちに、ラインオナーのComancheフィニッシュの一報が。もうすでにハーバーは人人人。オーストラリア人みんなでかいから、香港人の友達と日本人の私はぜんぜん様子が見えなかった。

ラインオナーがお出迎え受けるには完璧なタイミング。天気の良い日の夜、10時半過ぎ、みんなワインフェスティバルやハーバー沿いのバーでいい気分になったいい時間帯。黒山の人だかり。酔っ払ってクレイジーになったオージーの人だかり。

アメリカから来たComancheは夫婦の共同オーナー。奥さんだけ乗ってたみたいです。奥さんは元モデル(いまも、なのかな?)。オーストラリア出身で、このシドニーホバートは憧れのレースだったそうです。一緒にいた友達が、ルックスも良くて、お金持ち(シリコンバレーの起業家)と結婚して、ステキな「おもちゃ」を買ってもらって、シドニーホバートにも出れて、彼女はすべて持っている羨ましい!!と叫んでた。確かにね。

ラインオナーを獲得した初めての女性オーナーだそうです。


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写真は翌朝のComanche 



その頃Ragamuffin100とRamblerは2位3位争い。風がなくてETAがコロコロコロコロ変わります。28日の昼間の時点ではETA29日午後。私がシドニーに戻る飛行機が2時過ぎなのでラガマフィンのフィニッシュ見られないかなーなんて思ってたけど28日の夜になったらETA翌朝6時とか。

次の日朝6時前に起きたらETAが6時半とかになってたので急いでドックに行ったらまた変わってて8時過ぎ。ハーバーの海面は鏡。


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お迎え組は朝からビール。


ラガマフィンがFacebookに、Ramblerが目と鼻の先を帆走る写真を投稿。しばらくすると予想通り2つのセールがほぼ同時に見えました。
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黒っぽいのがRambler。グレーがRagamuffin100。二つとも同じくらいの大きさに見えます。Ragamuffin100の方が船体が大きいので、普通に考えるとRamblerが先行?
未だ分からないのが、公式サイトのラインオナーのスタンディングで、Ragamuffin100の方がETAが早いのになぜかRamblerが2位でRagamuffinが3位と出てることが。なんでだろう?着順なのに。

ストラテジー通りほぼ同時にタック。

見てるこっちはドキドキ楽しい展開。3日かけた外洋レース、最後の最後自分の目で観れる海面でデッドヒートが繰り広げられる。風が少し上がってきたかな、というその時、RamblerがSandy Bayの方に向かってタック。
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あれよあれよという間に少し飛び出した陸地の影に見えなくなりました。

Ragamuffin100は変わらず、フィニッシュラインに向かって直進。
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Ragamuffin100がどんどん近づいてきます。でも Ramblerどこにいるのかまだ陸地の影で全然見えません。Ragamuffin100がフィニッシュする直前、建物の間にRamblerのセールが見えました。
 
 
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接戦を振り切って最後は2艇が私たちの前に現れた当初よりかなり引き離してのフィニッシュ。

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目が離せないフィニッシュ接戦でした。

ちなみに、Ragamuffin100のオーナーのシドフィッシャー氏は88歳。今回でシドニーホバート出場48回目。週の半分はまだ仕事に出勤してるそうです。そして週2回のジム通い。ランニングしたりウエイトトレーニングしたり。レースに出るレベルの身体が作れてないならレースには出ない、そうです。うちのチームのメタボ気味の人たちに聞かせてあげたい心構えです。そして私も耳が痛い。

さっき読んだ記事には記者に「来年も出るか?」と聞かれたスキッパーのウィッティが「If he is stupid enough to keep going then so am I」と答えたのに対し、シドが「If I am still as stupid as I am now, I suppose I will」と続けてました。こういうチーム、好きです。


ところで、3年ぶりのホバートはとても変わっていました。以前はちょっぴり殺伐としていたドック。今は新しくレストラン数軒そして立派なフェリーターミナルができていました。MONAという美術館に行くフェリーの乗り場。私の友達はシドニーホバートにレースの付き添いで来るたびに毎年訪れているそうです。とにかくユニークらしいです、この美術館。どうゆう風にユニークかは、、、、ぜひ公式サイトを訪れてください。この美術館の創設者はこの美術館のことを「subversive adult Disneyland(破壊的な大人のディズニーランド」と呼んでるそう。ちなみにこの創設者、プロのギャンブラーです。競馬やその他のスポーツに賭けるときの方法(?ていうのかな)を編み出し、それで一儲けしたそうです。

たった30分の乗船時間なのにフェリーの上にはバーがあるとか。そして、美術館にはステキなカフェがある、と。アートに興味なくてもフェリーで島に渡るだけでも価値があると、友達が言っていました。もしホバートを訪れることがあればぜひ。そして、私のハイキングツアーに来てたオーストラリア人のお客さんが、タスマニアは良いハイキングコースがたくさんある、とも言ってました。

タスマニア観光はまたいつか!



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